― 自室の外へ ―
[その夜、少女は考え事をしていた。なので、少女の眠りは浅く、
バリンとガラスが割れる音に少女は直ぐに目が覚めた。
何事かと寝台から抜け出し部屋の外へ出ようとして。]
何の音……?
もしかしたら狼が現れたの?
[ドアノブを掴んだところで狼の仕業ではないかと少女は扉を開けるのを迷ったけれども、
音がしてから暫く経った後に恐る恐る扉を開けて隙間から外を覗いた。
すると、ちょうどヴァルターが談話室を降りようとしてるところで。>>39]
ヴァルター……?
どうしたの、さっきの音は……。
[夜中だというのに宿の中を歩いている村長の姿を不思議に思い、
また先程の音の事もあったので少女は声を掛けるが、返事はなかっただろう。]