[半身たる存在が寿命つき、生を終わろうとする時、翡翠の嵐龍は苦しんでいた。人として、やるべきをやり切って、後は遠い盟約に縛られる半身。盟結ばれるその場に居合わせたから、その意味を知っているから。けれど、嵐龍にはその勤めに添うための力がなかった。命尽きれば、天竜皇の許へと還り、時を経て再び生まれ来るという法則。そこから、逃れる術などない──そう、思っていたから。けれど]