[そう言って、始めた話はヤクモがまだ知らぬ頃の自分の話]…俺が養子なのは、ヤクモも知っているだろう。それは俺も子供の頃から教えられて知っていたんだが、出自は伏されていたんだ。それが、あまり良くない出自らしくて一族に迷惑をかけると、姻戚筋からは良く言われていたんだ。[初めて言われた時の事は、今でも思い出せば重苦しく、辛い。面と向かって責め立てられることは時を経る毎に減ってはいったが、あの面々からの風当たりは変わらない。何時か、ディークが騎竜師になると言って旅立った時は特に酷かった]