先にも言ったが、大使殿を人質として差し出す事は、私には承服しかねる。
だが…元より大使殿は、巫女姫への謁見を望み、そのために私の保護を求められたのだと理解している。その目的を果たされる事に否やはない。
故に、私の配下からの護衛を最低5名、同行した上で、王府までお連れするというなら、承諾しよう。
それと王府軍の駐留だが、町中からは退去し、シュビトに近い西の街道沿いにある砦を拠点とするなら、糧食の提供も、港からの軍備の搬送にも協力しよう。
先刻の軍師殿への無礼の詫びに報償は求めないが、糧食を運ぶ人足への手当だけは負担願いたい。
街から砦まではゆっくり行軍しても二時間ほど、大した負担とはならないはずだ。
如何かな?
[条件を、ずらりと並べ、最後に浮かべるのは、常の通りの笑みひとつ。
もし、護衛の数が多すぎると言われれば、三人までは譲歩する]