─ 宿営地 ─[夜半。篝火と共に、北進すべく起った迎撃隊>>29同時に撤退の準備を始めていた野営地は速やかに畳まれ、レオヴィル軍は先ず砦までの道の安全を確保する伝令斥候、怪我人や子供達を守りながら砦を目指す隊、投石機を曳き戻す工兵、そして天幕付近で後始末をする者たちとそれぞれの仕事を進めていた。皇子の撤退指揮は力強く、人や資材を動かす指示は明瞭だった。魔軍と衝突していない後陣の士気は損なわれずにある]