[自分の身分を名乗った場合。
相手の反応で私が取る対応が決まります。
だから話をするより、遊ぶより、先に。
相手の身分を確かめてからお話しないさねと。
幼い私は強く言い含められた決まりごとを守っていました。
彼>>37はどうやら普通に話しても問題がないと。
此れまでの経験則から私は思ったのです。]
そう…、ルートヴィヒは、ルートは、偉いんだね。
もう跡を継いだ先のことまで考えていて。
――…歌は。歌は、好きよ。
自分が行けない遠くにまで歌は行くことが出来るから。
[続けざまに飛び出す質問>>37に目をぱちりと瞬いて、ゆっくりと返事をします。
歌は好き。一人で歌うことも。誰かと歌うことも。
もう一回聞かせてと言う彼の顔が薄赤く感じたのは私の気のせいだったでしょうか。よくよく確認することは出来ませんでした。]