―回想―[中学一年生の秋。既に母親とも思えなくなっていた女が死んだ。他殺だった。 惨殺死体だった。まるで大型の刃物で切り刻まれた様に無残な姿だった。凶器はいつまでも見つからなかった。俺は彼女が死んでも泣かなかった。寧ろ、壊れていく悲劇に喜んだものだ。葬式らしい葬式は出来なかった。それでも女が死んだのは周知の事実だった。]