−暁月夜前 自室 −
[一仕事終えた後の心地よい疲労感。次の仕事の計画。そんな事で頭が埋まっている夜には、何も憂いを感じる事など無く。窓の外が嵐であろうと、全く気にする事なく。
就寝のために軍服を脱いでいる時だった。
>>29 静かに音も無く滑りこむように現れた人影に、顔を上げる。
…ああ。その表情には 覚えがある。
辛くて 苦しくて 一人ではいられない
そんな夜が彼の回りに訪れている。
嫌と言う程知っている。そんな夜が突然やって来る事を。
嵐のように 自分を押し潰す夜を。
そんな時に自分の部屋に来た事を、まだフェリクスに自分が必要とされている事を知る]
良く来た。
私の部屋の扉は、いつでもお前には開かれているさ。
遠慮は無用だ。