―0日目・PM7:30・バルコニー―
…味わう余裕が有るほど生易しい世界では無かったでしょう、ヴェルナー。
[集められた時に聞き覚えのある名が幾つか居たが、その中の一人>>42がまさかここに来るとは思いもしなかった。
“舌がない”
その言葉に肯定をしたら彼は驚くのでしょうか。]
相手の声音、表情、そして行動。
それらに神経を集中させてますと、味なんて覚えてませんよ?
だから…いえ、何でもありません。
[―だから一人になって食べてみたかった―
きっと無意識にそんな理由で抜けたのだと彼の言葉で気が付いた。
だが結果としては先の考え通り、味が分からなかったのだ。]