人狼物語−薔薇の下国

176 ねぼすけ狼とうさぎさんの黒い森


流民 ロー・シェン

―午後―

[皆がそれぞれの春を満喫する頃、
褐色のうさぎは台所や貯蔵庫を漁り
籠いっぱいの苺を手にリビングへと戻った。

タクマが持ち寄ってくれたものだろうか。
だとすれば、これは食べても良いものだ。

そのはず、と勝手に完結し――

窓辺で変わらず居眠りを続けるリヒャルトの隣に
椅子を引き寄せ、窓の向こうの光景を眺めながら
苺を口へと頬張った。

甘酸っぱくて、ジューシーで。
幸福感に知らず頬が、緩んでしまう。]

(45) 2014/04/14(Mon) 16:47:50

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