色とりどりの薔薇を目で追っていると、少し離れた場所で、ソマリが薔薇に水をやっているのが見えた>>11Esの一人だ。王子の寵愛をうけ、この城の中で、いつまでも、王子と一緒に生きていける人だ。王子と同様に自分が仕える人たちであり、また、監視する人たちでもある。でも、ここでこうやって王子と暮らしていて、王子に逆らいたいなどと思うのだろうか。日差しの中で、彼の髪がきらきらと輝くように見えた。濡れた自分をなんだかみすぼらしく感じて、目を伏せた**]