…あいつ、この寒さでくたばってねェだろうな。
[ふいに思い出すのは昔馴染みであるシモンのことだ。彼の足ではこの雪の中外に出るのは何かと厳しいことだろう]
ま、あのガキが面倒見てんだろうし流石に平気か。
[続いてシモンの家で一緒に暮らしている少女が浮かぶ。
兵士として村を出ていた彼が孤児を引き連れて帰ってきた時には驚いたものだ。
そういう自分も子供の頃両親は他界し、孤児として教会に引き取られたため、別に珍しい話ではないのだけれど]
後でツラくらい見に行ってみっかね。
[そう周囲に聞こえないよう一人ごちた]**