ダーフィト……。
[私はシメオンさんがダーフィトに終焉を齎してから、結局幽体となった彼と会うことは出来なかったのです。
今、目の前にいる「生きている」彼は、私を数秒間見つめた後、視線を反らしたのですが。
私は彼が再び振り向くのを、暫く待っていました。
私が死んでから――実際は死んでなかったのですが、死んだ記憶が始まった時から。
近いはずなのに決して届かない場所から、ずっと見ていた姿がすぐ近くにあったのです。
手を伸ばせば、今度こそ届く距離に彼は存在しているのです。]
あの、色々と、ごめんなさい……。
[彼は振り向いてくれたのか、もしくは反らしたままだったでしょうか。
まず彼と会ったら謝ろう、と心の中で決めていたこと>>6:+40。
絞り出した声は小さく、僅かな震えが残っていました。*]