[その一言と共に拳が上がり、覗き込んでいた頭を殴り飛ばす。
『ぎゃん!』と言う悲鳴と共に『山翡翠』は吹き飛び、一時意識を飛ばしたようだった]
……ったく、折角ゆっくり休めると思ったのによ。
[振り上げた拳を下ろし肘を床につけ上体を起こす。
緩い動きで座り込むと、身体の状態を確認した]
…へぇ、確かに傷が治りつつあるな。
[完治には程遠いが、ここへ送られた当初よりは身体が軽い。
掠り傷程度のものならば完治し、残るは重篤なものだけとなっていた。
骨にまで響いているであろう右肩に関しては、まだ動きそうにないが]