[だが、帰らなくてはいけない。船が戻り、しばらくすれば居場所を嗅ぎつけた使用人がこぞってやってきて連れ戻すだろう。あまり我がままを言ってしまっては他の人に迷惑がかかる。それも、少女にとっては嫌な事だ]帰ろっか、うーちゃん……[せめて、このクッキーは大切に食べようと心に決める。出来るだけ、思い出が色あせないように。少女は帰港の合図である汽笛を聞きながら、船の出口へと足を向けた*]