― スラム街 ―[小さな獣から意識逸らした騎士は、改めて周囲を見回す]……このまま、何事もなく帰るなら、私も手間取らずに済むのだが……。そうは、行かぬか。[こちらへ向けて駆ける気配がある。やれ、面倒な、と思いつつ騎士はそちらに視線を向けた]……手荒な事は、したくないのだがな。レディの望む『流れ』、その契機となり得る存在……ある意味、稀有ではあるのだし。[声音はどこかぼやくようではあるが。瞳に浮かぶ色は、鋭いもの。*]