― 海域南方/戦艦シュヴァルベ ―[タクマの顔をじっと見つめながら、その言葉を聞いていた。呑みこめぬなにかをどうにか呑みこもうとする顔をしながら。相手が微笑んだときには眉を動かしたが、それ以外は口も挟まなかった。グラスが置かれる硬い音と同時に、呪縛が解かれたように首を軽く振る。] 私は彼女に、帝国で匿うと申し出たのです。[視線はやや逸らされ、タクマの背後へ向けられる。]