― 祝祭の夜 ―
[ 直球で投げた言葉は、言うなれば、カスパルの思い切りの我侭でもある。だから、どんな反応が返ってくるかも大概予想がついていた ]
あっさり頷くわけはないと思ってたよ。
[ 無茶、と断じ、覚悟を問うイェンスの言葉に>>40笑みを返す ]
お前が選んだ道なら止めない、と、私は言った。だから、最初は、たまには、手合わせに来いと言うつもりだった。
今の騎士隊に、私とまともに打ち合える者はいなくなってしまったからな。
[ かつては尊敬していた先達も居たが、そういった騎士達は皆、己にも厳しく、僅かにでも力が衰えたと感じると、潔く一線を退いてしまっていた。カスパルの前に隊長だった騎士も、隊長の座を譲るのと守護騎士を退くのは同時で、以来、仰ぎ見る相手も、並び立つ相手も傍には居ないままだ ]
お前の
だが、それでは、私が足りない。
どうしても、足りないんだ、イェン。