― 湖 ―
[押し迫ってくるような光に目を晦ませたが、唯一の導である手の感覚を頼りに、前へと進む。
空けた先、水と草の匂いに初めて出会った場所かと思ったが、少し違うようだった。]
…ここは。
[どこだと、片割れの男を見上げていたが、はらはらとはためくような音を聞き視線を下げると、手には3枚の紙が。]
…何だろう、書類?
[一枚目には賭けの支払いの完了を報告する物が。
それを見てようやく、自分が賭けの対価に何を求めたのかを思い出して、あっと短く声をあげた。
続いて二枚目には、覚えのある印の入った書類。リリーパの公的文書らしきそれをじっと、一言と漏らさず見届けた後、3枚目の書類を見る。]