― 陸戦場 ― 裏切り者に向ける挨拶など無い。[切り捨てるかに見えるその言葉は、少なからず信を置いていたことの裏返し。人手不足のところに少人数でも現れた傭兵達のことを、本当にありがたいと思っていたのだ。彼らは傭兵だが、隊の一兵士と同等に見ていた私は、彼らが傭兵としての立場故に海精軍へと寝返ったことを理解しきれていなかった。その失望が声に現れている]