― 野営地/軍議の席 ―
[ 王都アマンダへの手出しは、両軍にとって、ある意味禁じ手だ。そこを敢えて陽動に利用するという微妙な駆け引きを必要とする案を、タイガはあっさりと了承した。>>1
そこに乗せられた全幅の信頼を、ナイジェルは背筋を伸ばし、拳を胸に当てて受け止める。 ]
はっ!ナイジェル・ソン・ベルク、ブリュノー王都アマンダの守護の任、確かに承ります。
[ その言葉は、そのままナイジェルが執ろうとする作戦行動そのものを示している。と、その場に在った者たちは理解しただろう。
王都を攻略すると見せかけて、敵軍の引き寄せを図り、しかし実際には、王都の前に守護の陣を置く事を目標とする。
結果的に、ティルカン連邦軍に陽動を見抜かれたとしても、うまくすれば『マルール王国軍が王都アマンダの守護についた』という事実が残る。 ]