― 月の舞台 ―[ 竜が若さについての問答を終わらせたのは、自分の年齢についても実はよく覚えていないからだった。生まれたばかりではないのは確かだったが。 ]へーえ、強そうだな。[ 戦場を空と定め、黒緑の翼と、巨大なランスを顕現させたメルヒオルの姿に>>37竜は楽しげにそう呟き、自らの翼をばさりと羽ばたかせた。 ]手加減、て、なに?[ 手加減無用の宣を受ければ、以前のメルヒオルの口調を真似るように言葉を返す。......実は、本当に、意味を知らないのかもしれなかった* ]