[ま、まあ、確かに、博士の作ったジークムント達のプログラムを
見てみたい下心が全くないといえば、嘘になるけど。
それに、他の個体よりも人間の感情用語を多用し、
コミュニケーションを理解しているらしいこの個体には、
個人的な興味もありはしたけれど]
理由あっての隔離だろうし、
君が適切ではないと判断したり、
望まないことを、強いるつもりはないよ。
―――… 君は、どうしたい?
[人間のような仕草で瞬きする瞳の近く、さらりと流れる銀色。
どうしてだろう、一瞬だけ泣きたいような気持になって、
ふと手を伸ばす。 触れ得るなら、そっと撫でよう*]