人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


技官 カサンドラ

[彼女は、自分の身の上については何もいわなかった。
 彼もまた、何も聞かなかった。体調を崩し、帝国の病院で闘病するも――あの年の春が、シュヴァルベへ迎える最期になるだろう、と医者には覚悟しろといわれていた]

「私は、良き時代に、良き教え子たちに囲まれて幸せに暮らした。
 お前も、好きなように生きなさい」

[老皇帝の死後すぐに、眠るように息を引き取ったことは、彼の人生に於いて最後まで暗い時代の到来を知ることなく、よかったのやもしれない] 

[葬儀は、シュヴァルベで行い、シュヴァルベの地に彼の墓をつくった。
 「幻の花火」などの彼の魔器と科器を組み合わせた功績を、カサンドラはこう評した。

「夫は、生まれは帝国ですが、生粋のシュヴァルベ人でした」 

[貴方は違うのか、と問われれば、頷いて――]

「私には、帰属するところがないのです。
 私の親は、科学ですから」

[冗句を言われたと笑うものが多い。事実、彼女は笑って嘯く――]

(44) 2013/06/15(Sat) 02:00:16

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