―0日目・AM11:15・バルコニー―
ああ……実家への手紙的なヤツ?
――……おおー……綺麗だ。
[長身の彼が指先で摘んで飛ばした紙飛行機>>43は、瞬きした刹那の間に鳥になって飛び去った。
まるでその一連の流れが動きのある絵画のようで思わず感嘆の声を漏らしたが、相手の声受けて視線をそちらに戻した]
ん、悪い。気を悪くしたなら謝るよ。
単に、普段同じくらいの目線で話すヤツがレアだから。
物珍しさ、みたいな。
[身長の話、と分かりやすいように掌を自分の頭頂部に当ててアピールして見せる。
中肉中背の家系の中で自分だけ背が伸びてしまったもので、本当は血が繋がっていないんじゃないかと思春期に疑ったのはここだけの話だ。
目の前の彼は特に見知った顔ではない。
自分が忘れているとかではなさそうだと判断して、軽口も交えて訊いてみる]
なぁ紙飛行機の君、名前は何て言うの?
俺はトール。トール・ヨハンソンだ。