[ それが、誰か、までは、無論斥候の報告からは分からない。が、司令官の敗走で少なからず動揺しているであろう王国軍を纏める力のある人物とあれば、油断は出来ないだろう。 ]豊かな国は人材も豊かというわけかな。[ ふと思い出したのは、元首改選の折、国王代理として表敬訪問してきた青年貴族の姿。>>7穏やかな顔の裏に隙無く鋭い爪と牙を隠す類の男、敵に回せば面倒な相手だと、一目見て得た印象は、今も鮮明だった。 ]