[ 瞼の裏に、
王宮へ歩く
それを強いて打ち消すと、
眼前の吟遊詩人へ改めて目を向け。 ]
変わらないものなど存在しないということに
この国の民はもっと早くに気が付くべきだった…と
娘ならば切り捨てるように言うのだろうけどね。
変わっていくことに気が付く方が珍しい。
渡り鳥や変化に敏感な者でなければ、
余程に目が肥えている者くらいだ。
[ どちらともつかずの身を責めはしない。
朽ちゆくものへの魅力>>6:28も、
朽ちることへの嘆きも何方ともに
表現者として理解の出来る感情だった。
…只、
どちらともつかずで居られるほど
若くなくなったと云うだけなのだ。…己自身が。 ]