人狼物語−薔薇の下国

178 薄暮の海―CLASSIFIED MISSION―


航空兵 コンラート

[気力、そんな言葉を投げたのはつい程だった筈なのに、もう遠い昔のことのように感ずる。今はもう、この身体も意志で突き動かして。ジャラ、と意味も無くポケットの鍵は音を立て。]

…君も。先程ぶり、だね。

[言葉の先には斃れたシュテラが骸を晒し。眠るように、なんてとても表せない姿で、それでも眠っている。瞼は閉ざされているだろうか、どちらにしてもその視界を覆うように一度、手を添えて。]

親愛なる君へ。さぁ―

[バサリ、と宙を舞うのは幾枚かの紙切れと写真と。それは彼女が求めた者の在りし日の姿。眩く光る、過去の日々。本当は、君の手に渡してあげるべきだったね、と語り掛けるように。]

…俺と同じように、この国から奪われてこの道を採った君に、少し思い入れすぎたかもしれないね。

[苦笑する。彼女は復讐を選び、自分は棄てる事を選んだけれど。それでも同じものを恨み憎しみを抱いた点で俺達は似ている。だから。]

求めた掌のその先の、兄が紡いだ物語こたえに抱かれてよい夢を。

[眠る彼女にそう囁いて。]

(43) 2014/05/01(Thu) 23:57:00

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