[ あの生暖かい赤い泥濘の近くにいれば。
生きているとわかった彼女を……
――――――――……どうしようとしたのか、
覚えていないくらいには。理性が飛びかけていた。
彼…マーティンの憎むべき相手は、
この考古学者だったというのに。
彼は、自分の真の仇が誰とも知らずに逝ったのだ。 ]
………………哀れな人だな。
[ 唐突に湧いて出た言葉は、酷く冷めた調子の声に成り。 ]
ああ、それはそうと、君が意識を失っている間に、
ヴィクトリアがセルウィンのことを話してくれたんだ。
[ それを誤魔化すように、笑みを浮かべれば、
ヴィクトリアから聞いた話>>30をして、 ]
…まだ、生きているかもしれないし見てくるよ
死んでいなければスノウに頼んで直ぐに運んで貰うつもりさ
[ セルウィンを探しに行くのだと伝えれば、
ついて来るも来ないも彼女に任せて、
残るようであれば気をつけろと声をかけ、
急ぎ足で医務室の外へ出ようとしただろう。* ]