[胸に鳴《ひび》くは、悲しいまでに優しく透き通るような歌声。 自然と零れてくる雫] ……シグルドさん……あれは、図書室の司書さん……?[上級ディアボロス対峙のとき、率先して皆を纏め、危険な囮役まで勤めた勇者のような青年。 彼が脱落させられたのか……](僕には、何もない……? ……そんな) なんで、そんな悲しいこと言うんだよ…… シグルドさんは、私達みんなのこと、護ってくれたのに。[ぐし、と涙を拭い、顔を上げる。] ……私達は消えちゃ、いけない。 生きることが……シグルドさんが“護る”ことにつながるんだ。