さて、あと、もう一つー。
[伝言を頼んだ後、もう一つ託された言葉を伝えるべく、カナンへの取次ぎを頼む。
伝えるのは、ガートルードの願い──ウルズを『八幡』に乗船させてほしい、というものだったが。
それが、カナン自身の判断で促されている、と知ると、ほっとしたように、笑んで]
なら、よかった。
こういう時に、寄りかかれる人がいないの、辛いからねー。
……ひとりきり、って、楽だけど、きついから。
[ほろ、と零したのは、一人彷徨っていた頃の経験からの言葉。
ともあれ、やるべき事をやった所で白狼児は慌ただしく、自分の仕事へ戻っていった。*]