−呉・快速工廠艦 せと−
ただいま、おじぃ。
『おう、まぁた無茶やりやがったなバカ孫』
[呉に着いて、ひとまずは社長さんたちのところに向かったバルタさんといったん別れて、なんだか久しぶりな気がする我が家へ。
出迎えたのは、ため息混じりのおじぃの言葉。手にはこの時代だっていうのに端末じゃなくて新聞紙が握られている。
大方、大阪での一件が記事にでもなったのだろう。
だいぶ目立ってた、大通りを半裸のおじさんぶら下げて交番まで練り歩いたほうか、通信でかなりの広範囲に知れ渡っちゃった、あの警報が鳴ったときのほうかは知らないけど]
『まぁ、今回はひとりで突っ走ってなかったらしいとこだけは褒めといてやる。けどな、だからって―――!』
うん、それでね、おじぃ。
『――――なんだよ』
[記事には、あの、ビルの中で突っ走った件は載ってないらしい。まぁ当たり前か。
それでもまだ何か言い募ろうとするおじぃをまっすぐ見つめて、遮った。
渋々ではあるけど聞く姿勢になってくれたのは、真剣な話だって、察してくれたらしい]