『ど、どういうことだ!! 教会は我らに力を貸すのではなかったのか!?
裏切ったのか、この淫売め!!』
……ああ、うるさいですわね。
せっかくの主様とのひと時なのに、ピィピィと喚かないで頂けますか?
[右手を振りかざす。次の瞬間現れたのは透き通った真紅の刃、それが中の男に突き刺さっていた。
しかしその鳥籠は、ほとんど血に塗れてはいなかった。男の息は、まだあったかもしれない。
女のほうが叫んだが、こちらが一睨みすると小さく鳴いて黙る]
……はっ!
申し訳ございません主様、貴方様のものに勝手をしてしまいました。どうかお許しを。
――此度の勝手な行動は、主様のご期待に沿う成果を持ち帰ることで償わせていただきます。
[主様の動物に断りもなくしてしまったことに気づき、膝を立てて頭を下げる。そうして謝意を述べると、手早くテラスを後にする]