[手を差し出しつつ、けれど、拒絶される可能性も見てはいた。
しかしその予想は外れ、伸ばした手に手が重なる。>>40
大きくなったなあ、と。
触れた手に場違いな思考が過るのは、目の前の現実への忌避感故か。
隔てた十年という時間を感じつつ、オットーの手を引いて立たせる]
歩けそうですか?
それでは、行きましょう。
[やや首を傾いで問いかけた後、歩き出す。
一先ず、向かう先は広間。そこでオットーを休ませてから、改めて、亡骸を包むものを探しに行く心算だった。
猫は相変わらず案ずる様子のまま、とことこと後をついてくる。*]