― 幕間 ―
[身の回りのことが出来るようになると、ディークは徐々に周囲へ関心の範囲を広げた。
血の兄弟達と交流をもとうとするのも一つ。
試験から数日後、
コンラートの制止をふりきって、トールとアレクシスの元へ贈られたのはクッキーのお礼の──]
本を見て作った
良かったらお茶の時間に
[届けた顔は微かに上気して、嬉しそうにも見えたかも知れない。
ふんわり膨らむどころか、見た目も食感も漆黒の岩石そのものな恐ろしい姿のチョコレートスフレを押し付けたのであった]
[そういえば結局、あれからメイドの血兄弟は訪ねて来ない。
一度散策中に廊下で出会ったが、なんとなくそそくさと逃げられた気がした。
肌の露出も艶かしいマーメイドラインのドレスを、似合っていると褒める間もなかった*]