[>>38苦手と言った男のエスコートは、無骨ではあったが無神経ではなく。
歩くに苦を感じない程度には堂の入ったものだった。
そうして、他の二組と充分に距離を取った場所取りが出来た、と双方が思えた所で自然と手が離れた。
恐らくは男が思う、互いに利、不利が釣り合う間合いが開けられて。
正面、呪も唱えず魔力も使わぬままに現れた変化に向けたのは、微かな瞬き。
男の血筋か、身につけた甲か、それ以外か。どうして起きたのかは分からぬがそんなのは些細な事だ]
うむ。
なかなかどうして、悪くないえすこぉとじゃの。
では儂も、主の意地にきちりと応えねばな。
[>>39竜の目に映るのは、正面からぶつかろうとする誠意が全て。
なればこそ、誠意をもって返そうと、ぱっと開いた扇が空を舞ったと同時、翡翠色の翼が翻った**]