― 朝 ―
[吹雪で冷え込んだせいか、いつもより早く目が覚めてしまった。
寒いと不平を鳴らしながら一階へ。まず食堂で暖炉に火をくべてから、温かい飲み物を取りに行くべく厨房に向かう。
椅子の上で居眠りをしているヤコブ>>33に少し苦笑い。起こさないようそっと毛布をかけた。
鍋からはスープの良い匂いが漂っていて、お腹が鳴る。だが人が作ったものを勝手に貰うなんてよくないと食欲を抑え、熱い珈琲と昨夜のパンの残りで朝食を終わらせた。]
そういえば……レジーナさん、もう起きている頃と思ったのに。
[吹雪の中戻ってきていないとは知らずに、支配人部屋のドアをノックする。返事がないと分かった途端、胸の奥でざわりと不安が顔をもたげた。]