― ファミルの部屋→大浴場 ―[フード付きの黒いマント―フードは目深に被り―を肌蹴ないようきっちりと着込んだエレオノーレはファミルに連れられて大浴場へ向かっていた。窓から吹き込む春の風に着ているものの裾を持ち上げられぬよう片手で抑えつつ歩く姿は誰かに見られたなら多少挙動不審に映ったかもしれない。ファミルが誰かと話をする様子に気付き顔を上げると視界に浅黒い肌をした異国の男性が入って来た。]