じきに店主が呼んだ自警団もこっちに来る……。
勘弁しなよ。
[深いため息と共に宣告する]
……あと、こんなけち臭いことしなくたって、
金がないって最初に言っておけばそれ相応の措置はしてくれた……かもしれないんだから。店主が。
[数拍間を置いて告げたのはそんなこと。
驚き顔の食い逃げ野郎の心境は察するに余りある――おおかた「そんな話聞いてねぇよ!?」といったところだろう――が、
そんな表情もさらりと受け流して]
……今考えついた。
食べてた時、結構いい顔してたから、店主が気にかけるかもしれないって。
[久しぶりの食事だったんだろう――とつらつら考えている間に自警団が到着。
食い逃げ野郎の身柄を引き渡す]