[旅人だった頃の話は、帰郷してから余りする事はなかった。そも、『商人として身を立てる』と宣言して飛び出したはずが、何故に神職に就いて戻ってくる事となったのか。その辺りの事は黙したまま語る事はない。問われても、「いろいろあったんです」と。昔から変わらぬ、惚けた笑みで誤魔化すばかり。*]