[放り投げられた月色に。 まるで祈る様に、服の上から薄青をぎゅと握っておれば。 走り去っていく錆色。 誰かの髪色に似てると思いながら、立ち上がり屋内に入る月色にほっとしつつ、男は自室の手当道具を手にして隣の部屋に入ろうと。]