[話し合いなんて必要ない>>38、そう言い出したカタリナの態度で男は察した。妹のように大切に思ってた幼馴染の妹であり、男の妹の友人である彼女から、自分たちが拒絶された証なのだと。]
カタリナ、君が感じた気持ちが君にとっての真実だと俺は思っている。
[だからこちらも静かに彼女が離した手を見送るのみ。煽りに対して感情は全く動かない。最早その段階は通り過ぎたし、演技をする気にもなれなかった。
それでも男は動かずにいる。カタリナが次に何をしようとしているか、ただ見守り続けた。それが何をもたらそうとも。
一瞬の隙にナイフを手にしたカタリナを前に、ジムゾンの前へ一歩踏み出した男は、背中で幼馴染を庇おうとした。]
俺はジムゾンを守る。こいつだけは殺せないし殺させない。
[絶対の意思を込めた宣言は、カタリナの意思を肯定する意味もある。
彼女が自分たちをどう思っていたことを含め、全ては過去形、全ては過ぎ去ったこと。もう元には戻らない。*]