― 『魂の檻』 ―
[途切れるように落とした意識、眠りはしばらく平穏を保っていた。
その間にシメオンとグレートヒェンが最後の戦いをしているとは知る由もなく。
このままであれば目覚める前に全てが終わっているかと思われた。
その時]
『……………』
[こそ、とオズワルドへと近付く気配。
それにすら気付かずに眠るオズワルドに、気配は睨むような、剥れるような表情でオズワルドの傍にしゃがみ込み顔を覗き込んだ]
『…なんでお前みたいなのが…っ』
[ぶつぶつと、小声で呟きながら、気配───『山翡翠』はぐりぐりとオズワルドの額を拳で押す。
強さに加減の無いそれは、オズワルドの額を赤く変化させると同時]