── 騒動のその後に>>35 ──
大丈夫です、外には被害はない…はず。
[要塞と化したキッチンは最早チョコの爆発程度ではビクともしない。本人の怪我も少ないことを思えば、派手なのは音だけなのかもしれない。]
兄様が……?
[令状、と続きそうな言葉に一瞬ビクリと肩を震わせるも、手紙だと聞けばホッとした表情で茶封筒を受け取った。
先日、実家へと帰った際には、兄は帰ってきているのに仕事が忙しいと部屋から出てこなかったのだ。兄が泣きそうになっていた、と言い、吹き出す保安官に釣られて、目尻を下げれば、ありがとうございます、と頭を下げた。]
はい、春にはなったら……
また、冬には帰ってくるよー。
お姉さんも、お元気で。
[差し出された右手に、此方も鍋を持ち替えて手を差し出す。
ただいま、と帰ってくる頃にはこのお姉さんの階級章には線が増えているんだろうな、なんて、その胸元を見ながら時の流れを思った。]