[「何故こんな話しを?」と問われれば、きょとんとして。聞いて欲しかったのかもな、と笑っただろう。それにお前が人狼だとは思えないし…と答えたか。]
[……パメラを宜しくな、とヨアヒムはどんな想いで言い残したのか。アルビンには矢張り分からなかった。
現実から目を背けヨアヒムの死を見なかったアルビン。最後、ヨアヒムがどんな顔をしていたのか分からない。
自分にそんな資格があるのかも分かる筈もなく、ただ、恋人を亡くしたパメラの支えになれるのであればと、]
そうか、ヨアヒムがパメラを。
……俺が護らないとな。
[その台詞にアルビンのパメラへの思いを知らないオットーはどう思っただろう。ヨアヒムがパメラを託した理由にアルビンが狩人だからと思い当たっただろうか。
実のところアルビンにも父親が狩人だったのか人狼なのか分からず、それが負い目で尚更ヨアヒムとパメラの関係を遠くから眺めていた、という事は話せなかった。]