[一年前は、何もできなかった。何かする間もなく、生まれた場所を失った。今度も結果的には何もできず、年長者たちに守られ、逃がされた。力を振るう事は出来ても、それだけだったという事実が重い、けれど] ……このまま……終わって、たまるか、よ。[いつになく低い声で、小さく呟く。そこに滲むのは、諦めてなるか、という意志のいろ。とはいえ、そのためにどうするか、というのはすぐにはまとまらない。ただ、今すぐにやるべき事だけは、辛うじて認識できていた]