― 宿の部屋の前>>41 ―
んぁ?エレだと?
[聞こえてきた声は、若い女のもので>>41
そしてその声は言われてみれば聞き覚えのあるものであったかもしれない。
ただ、涙混じりの声と昨日のいまいちぽやっとして感情の起伏がわかりにくい印象だった彼女とが頭の中で咄嗟に結びつかなかった]
俺だ、昨日会ったレト。
[覚えてねーか?と扉の向こうから声をかける。
どうも様子がおかしい。おそらく自分が朝起きたらこんな格好だったように、相手にも何かしら変化があったと見たほうがいいのだろう。
とはいえ、状況の厄介さは向こうのほうが上かもしれないが]