人狼物語−薔薇の下国

332 【絶望村】貴方と私が乗れない方舟


前村長の妻 ディルドレ

[シルクのハンカチを取り出し、残った指輪をそこへ転がり落とした。
残ったわずかなワインが、真っ赤な色を移した]

嬉しい。
頂いてよろしいの?

[ハンカチから指輪を摘みあげ、光に透かしてざっと金銭価値を目測した。
これはきっと、「本命」に違いない。
村の有力者たちは、今も変わらずディルドレ奥様は美しい、と口先では云う物の、村長が代替わりしてからめっきりと捧げ物がなくなったり渋くなったりした。
ところがどうだろう。ベルガマスコ少将はこれだけの価値をディルドレに感じている]

大事にしますわ。

[ゴテゴテに飾られた指から、一番安い指輪を一つ抜いてハンドバッグに仕舞い、代わりにサファイアの指輪を差し込む。
シャンデリアの光に、それぞれの指輪がそれぞれに光り、実に美しい]

(42) 2015/05/03(Sun) 18:43:41

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