おぉっと…。余計なモンも付いとるやないか
しゃあないな…。暴れて落ちても知らんぞ
それと、オレを今落としても。コイツ等の命は保証せんで?
[新郎と腕を組んでいた新婦も、咄嗟の事で腕を離せなかったのか。自分が新郎を釣り、新郎に新婦がくっついて空を漂うという不思議な構図が出来上がった。
天使はどんな反応をするだろうか。あの愛おしそうな視線を送っていた天使は、彼等を見捨てる事が出来るだろうか?
そんなの、答えは決まっていた]
―― 降りろ。オレと話しようや
あぁ、それとも。魔族は嫌か?嫌なら…嫌な事させたくなるな
[片手で軽々と新郎と新婦を持ったまま教会の屋根へと近付いていく。天使は呆然としているのだろうか。咄嗟の事に対応出来ているのだろうか。そんなのは関係無かった。
天使の頭を掴み、飛べるかどうかも確認しないまま。そのまま屋根から放り出そうと。触れる事があるのならば、魔族である自分との接触で多少変化が起きてしまうかもしれないが。
嗚呼、そんなのは尚更関係無い。地に降りれば、村人の視線は魔族へと集中して。それから、新郎新婦と“仲良く”肩を組みながらニッコリと天使へと問いかけた。]