ただ、それには前々から言っている通り、問題もあって。
妖魔族サンたちとは俺らは縁薄く、
それに、『根に棲む者』の件もある。
調査には手練が、いくらか必要な気がしています。
それと、一定の安全確保のために、
ある程度の事前情報も、事前に欲しいとこです。
いやっ、彼ら神殿騎士の腕と俺ら癒者たちの術だけで心もとないッてわけじゃなくて!
[神殿所属の神官のうち、癒者に分類される自分は、
とりわけ治癒の術式に長けてはいても、戦闘など不得手も多い。
護衛の騎士たちの視線が痛くなった気がして、
いやいや助かってますヨーとぶんぶんと首を振りながら、
それでも己の目は自然、聖神神殿の奥―――儀式の間に向く]